株式会社ワコール
接客AIで、インナーウェアビジネスをデジタル変革

女性向けインナーウェアの国内トップ企業である株式会社ワコール(以下、ワコール)は、2019年5月、東京・表参道にAIを活用した新たな接客サービス「3D smart & try(スマート アンド トライ)」が体験できる次世代型店舗をオープンしました。お客様の多様なニーズに対応すべくテクノロジーを活用することで、ストレスなく、より自由で楽しいインナーウェア選びを実現。「販売員にインナーウェアの相談をしたり、サイズを測ってもらったりするのは恥ずかしい」といったお客様の声にもお応えしたこのサービス。同社は今後、蓄積されたデータを活用し、より美しく健康でいられるための新たなビジネス展開を構想しています。

ビジネス上の課題

女性向けインナーウェア市場の国内トップ企業であるワコール。

そんな同社がデジタル変革を開始したのは2016年のことでした。背景にあるのは、1種類の商品を大量生産・大量消費する時代から、1人のお客様の多様なニーズに応える時代へと変化したことです。そのため、テクノロジーの活用が欠かせなくなってきたのです。ただ、リアル店舗の接客で付加価値を提供してきた同社は、「デジタルだけで完結するのではなく、デジタルを取り入れてリアルの良さを活かし、より高付加価値の体験を提供する」と、改革の方向性を定めました。

リアル店舗の課題には、「販売員にインナーウェアの相談やサイズ測定を頼むのが恥ずかしい」、「自分のペースで自由に買い物を楽しめない」といったことがありました。また、ECでの売上が伸びているのは、スマートフォンの利便性が要因だと思います。リアル店舗でも、スマホと同じように自由に気軽にお買い物していただきたい。そんな想いから、お客様にストレスなくインナーウェア選びを楽しんでいただけるよう、リアル店舗にテクノロジーを取り入れることを決めました。

ソリューション

以上の課題解決に向け、新たな接客サービスと店舗の企画設計に着手した同社は、「新しいことを始めるのであれば、これまで取引がなかった企業と共に進めたい」と考え、IBMをパートナーに選定します。将来のグローバル展開をサポートできるグローバルIT企業であること、多数の女性社員が活躍していること、そして誠実であることが決め手でした。

こうしてIBMを含む新たなパートナー4社と、2016年にワコール社内に新しくできたオムニチャネル戦略推進部がプロジェクトを推進することに。課題解決に向け、1人でも簡単かつ5秒で正確なサイズを測定できる独自の3Dボディスキャナーと、お客様のニーズや好みのデザインをベースに最適な商品を勧める「接客AI」を活用した新しい接客サービスを企画・開発しました。IBMの協力のもと、社内への説明を繰り返して理解を促し、新たな挑戦を進めることができたそうです。

効果と今後の展望

2019年5月にオープンした「ワコール3D smart & try」は、その直前に開設したポップアップショップの時から大きな反響を呼びました。

ポップアップショップでは、新たな接客サービスを体験しようと開店前から行列ができたほど。また、常設店舗の東急プラザ表参道原宿でも連日多くのお客様がこのサービスを体験され、ビューティーアドバイザーによるカウンセリングは、1カ月半先まで予約で埋まっています。「3D smart & try」体験者の4人に1人は商品を購入しています。

同社は今後、蓄積されていくデータを活用し、女性がより美しく健康になるための提案を進めると共に、他社アパレル事業や医療機関などとパートナーを組み、新たなビジネス創出につなげていくことを構想しています。こうしたデータを活用し、一人ひとりのお客様とより深く、広く、長く、寄り添う新たな価値を市場に提供していくそうです。

 

[製品・サービス・技術 情報]
当事例で使用されている主な製品・サービスは下記の通りです。

当事例に関する図表を含めた詳細な情報は、事例PDFよりご覧いただけます。

短期間で成果を出すデジタル変革を実現できたのは、情熱を持ってサポートしてくれたIBMのおかげ。 下山 廣氏 執行役員 総合企画室 イノベーション事業推進部長 株式会社ワコール
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